このページの目的など
麻雀を始めたばかりの初心者の方にも、ある程度打っている中級者の方向けに役の基礎知識からちょっと踏み込んだメリット・デメリットまで解説します。咲-saki-で有名な嶺上開花の解説となります。
和了までの流れが美しいこと、偶発役のため出現率的にレアってことだけではなく、ちゃんとしたメリットやデメリットなどもあるので、そのあたりを詳しく解説します。
嶺上開花(リンシャンカイホウ)
役の概要 | |
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翻数 | 1 |
副露 | 可能 |
複合しない役 | |
1翻役 | |
平和・海底撈月・河底撈魚・搶槓・一発 | |
2翻役 | |
七対子 | |
3翻役 | |
二盃口 |
名前の由来は嶺の上に咲く花から来ています。嶺の山とは嶺上牌のことを言い、そこから引いた牌で上がる事で花が咲く的なイメージから名付けられたとかなんとか。
完全に余談ですがローカルルールで、五筒開花(ウーピンカイホー)という役があります。これは「五筒で嶺上開花した時に付く役」ですが、これは五筒を花に見立てて居る事からその名が付いています。
更に余談ですが、中国麻雀には嶺上牌(王牌)というものが存在しないため、槓上開花(ガンシャンカイホー)という名前で採用されています。中国麻雀では槓をしたら山の一番ケツから1枚引きますし、流局は山をすべて引ききった場合に発生します。ドラは存在しません。
嶺上開花の条件
自身で槓をして、嶺上牌から一枚引く。この引いた牌でアガリ宣言をすることで成立するのが嶺上開花です。
これを読んだだけでは出現率や成功率は低くないように見えますが、嶺上開花の出現率は0.2~0.3%と言われています。立直やタンヤオなどが20%以上をマークしている中で、この出現率は相当低いと言えます。
嶺上開花の強い所
嶺上開花の強い所、狙う上でのメリットなんかを紹介していきます。
アガリまでの流れが派手
槓→引く→ツモって宣言することでアガリが成立するため、アガリまでの流れが派手です。
暗槓は新ドラの恩恵も受けられる
明槓についてはデメリットの方で書きますが、暗槓だけは嶺上牌を引くよりも前に新ドラをめくるため、新ドラの恩恵を受けた状態で嶺上牌を引くことになります。そのため上がる前からドラが増えて打点が上がった→更にアガリ牌引けて化けたなんてこともあります。
更には暗槓は立直中でも出来るため、立直→暗槓→嶺上開花というロマンコンボを狙うことも出来ます。
大明槓で急に上がる事もできる
例えば自分の右の人が捨てた場合、次に牌を引くのは対面です。しかし右の人の捨てたものに対して槓を宣言し、嶺上牌でアガリ切る事ができれば対面が引く前に終わりますよね。嶺上開花の一つの特徴としてこれは外せない項目です。
この場合、大明槓をさせた人が故意かそうでないかに関わらず点棒をすべて支払う責任払いが採用されているルールもあったりします。そのあたりはチェックしておきましょう。
麻雀においてものすごく出現率の低い事象に対して設定されている包則と呼ばれる、責任払いについての解説です 初心者の方でもわかりやすく解説しています
瞬間的な打点向上が狙える
槓→嶺上開花の流れで1翻増えますが、もともと混一色なり役牌なりの手をやっている時に槓をすると、思わぬところで打点が上がったりします。
門前ならツモとの複合が可能
門前で嶺上開花を決めた場合、門前清模和と嶺上開花の二役付きます。なんなら立直とも複合可能なので、門前であれば打点増加が大きく狙える役と言えます。
嶺上開花の弱い所
嶺上開花の弱い所、失敗したら何が起こるかというのも書いておきます。
偶発役
咲は完全に例外中の例外なので気にしたら負けです。嶺上開花を含めて、一翻役には運に大きく左右される偶発役が多々あります。派手に槓したは良いけど全然関係無い牌を引いて何もなければ良いんですが、相手のアタリ牌とか引いた場合は最悪ですね。
相手の手が高くなる可能性も十分にある
上記のように失敗した場合、槓による新ドラや裏ドラの権利は全員が受けることになります。もっと言ってしまえば、自分が大明槓した場合は他三者は攻めるチャンスにしかなりません。鳴いていなければ立直による裏ドラが、鳴いている場合でも新ドラの恩恵を受けることが出来るからですね。
当然自分が攻めても良いんですが、相手もより一層攻めやすくなるという点には注意していきましょう。
大明槓での嶺上開花は新ドラが乗らない事が多い
大明槓はルール上、①嶺上牌を引く→②牌を捨てる→③新ドラをめくるっていう流れが一般的です。そのため、嶺上牌を引いた時点で和了する嶺上開花が成立した場合、後の②と③の処理は全てスキップされます。簡単に言うと、新ドラを見ること無く上がる事になります。
海底とは複合しない
海底とは常にその局の一番最後に引く牌の事です。そして嶺上開花で引くのは王牌の一部で、この王牌は常に14枚残っていないといけないため、海底での槓はそもそも不可能です。
海底の一つ前で槓をして嶺上開花が成立した場合、海底は複合しません。それはなぜかというと、自分が引いたのは海底の直前の牌であって海底牌では無いからです。元々の海底牌(だった牌)はまだ誰も引かずに終わるため、海底自摸との複合はしません。
ただし、嶺上開花が成立せずに牌を捨ててロンと言われた場合、河底撈魚は成立します